普段車を運転するとき、なにを履いて運転していますか?靴を脱いで運転したり、げたやスリッパを履いて運転していませんか?この記事では、運転中の履き物に関する法律をご紹介しています。今後履き物で検挙されることのないよう、今回ご紹介することをぜひ参考にしてください。
靴に関する交通法規

道路交通法では、「車両等の運転者は、当該車両等のハンドル、ブレーキその他の装置を確実に操作し、かつ、道路、交通及び当該車両等の状況に応じ、他人に危害を及ぼさないような速度と方法で運転しなければならない。」とされており、明確にどのような靴で運転しても違反になるということは明記されていません。ですが、運転に支障のある靴は「安全運転義務違反」として取り締まりの対象になります。また、道路交通法施行細則に則り、履き物の取り決めがされている都道府県もあります。
神奈川県では、「げた、スリッパその他運転を誤るおそれのある履き物を履いて車両(軽車両を除く。)を運転しないこと。」としています。東京都では、「木製サンダル、げた等運転操作に支障を及ぼすおそれのある履き物を履いて車両等(軽車両を除く。)を運転しないこと。」としています。
女性の場合、ヒールを履いての運転はほぼ確実に違反となってしまいます。げたやスリッパは明記されていますが、それ以外のものは取締りを行う警察官の判断に委ねられることになります。もし仮に「安全運転義務違反」として検挙された場合、違反点数2点、反則金9,000円を科せられる可能性があります。

靴を脱いで運転するのはOK?

結論から言うと、靴を脱いで運転するのは法律的に全く問題ありません。前述したとおり、「運転操作に支障を及ぼすおそれのある履き物を履いて運転してはいけない」という道路交通法施行細則はありますが、靴を脱いで運転してはいけないという文言はありません。ですので、法律的には全く問題なく靴を脱いで運転できます。
靴を脱いで運転するメリット
靴を脱いで運転するメリットとしては、眠気が取れる、ペダルの感覚をダイレクトで感じ取れるから繊細な運転ができるといった声が多くあります。足が蒸れないというのも大きな理由のひとつでしょう。また、土足禁止で車に乗っているひとも一定数以上いるのも事実です。
靴を脱いで運転するデメリット
ですが、裸足で運転する危険性も少なからずあります。まず事故を避けるときなど、とっさに急ブレーキをかけなければいけない場面もあるかと思います。そのときに裸足や靴下で運転していると、ブレーキを強く踏み込めない可能性があります。フルブレーキを踏む際、自分の全体重以上の力が足の裏にかかることになります。
緩衝材の役割も担う靴のソールがないと、フルブレーキを踏めない可能性があり大変危険です。
また、万が一交通事故を起こしてしまった場合、足を保護するものがなく、大怪我を負ってしまう可能性も否めません。さらに、事故現場はガラスの破片や車の部品、オイルなどが飛散していることが多いです。
その状況で裸足で車外に出なければいけなくなるのも問題です。さらに、脱いだ靴を運転席の足元に置いて運転した場合、なにかの拍子にペダルに挟まり、重大な事故に繋がりかねません。
靴を脱いで運転はあまりおすすめできない

靴を脱いで運転することは法律的には全く問題ありません。靴を脱いで運転することは一見メリットだらけに思えますが、実はさまざまな危険があります。土足禁止にして愛車を長くきれいに保ちたい気持ちもわかりますが、事故を起こしてしまっては元も子もありません。少しでも楽に運転したい気持ちもあるかと思います。仮に重大な交通事故を起こしたときに「靴を履いていれば」と後悔しないよう、靴を履いて運転することをおすすめします。
