雪国の車を運転には、どんなトラブルが多いのでしょうか?雪国出身の方にとってこの時期は非常に過酷ですが、それは車も同様です。今回は、雪国で多い車トラブルと、その対策方法を紹介します。
雪国で多い車トラブルをランキング形式で紹介

雪国での車のトラブルには、路面凍結によるスリップや視界不良による脱輪が主に上げられます。その他にも、バッテリー上がり、エンジンオイルや窓ガラスの凍結、またはヘッドランプが曇って見えづらくなる事があります。今回は、雪国で特に多いとされる車トラブルをランキング形式で紹介します。
第1位:バッテリー上がり
雪国で最も多く見られるトラブルが「バッテリー上がり」です。因みに2019年12月のJAFの救助件数の多さでも、「バッテリー上がり」がダントツで1位でした。その数は実に約68,000件。バッテリー上がりには、2つの要因があります。
1つ目は雪国特有の気温の低さ。バッテリーは気温が低いと性能が劣化します。新品のバッテリーでも、気温が0℃だと80%の性能しか出せません。2つ目は長時間の暖房で電力の負担が増すことです。1つ目の性能劣化に加え、長時間の暖房のダブルパンチで、バッテリー上がりが多発するわけです。
第2位:凍結によるスリップ、ガラスの凍結
真冬は日中でも氷点下になるほどの雪国では、凍結によるトラブルも後を絶ちません。代表的なものはフロントガラスの凍結とスリップです。
特に夜は気温が急激に下がることで空気中の水分が凍ります。すると窓ガラスに霜が張ったり、全体が凍り付く事があります。一方で暖房を使用すると外との寒暖差により、今度はガラスが曇ってしまいます。
凍結は車だけではなく、道路上にも影響を及ぼします。
雪国では積雪により、路面が常に濡れている状態です。これが夜になると更に凍り付き、路面凍結へと繋がります。これを(アイスバーン)と呼び、非常に危険な路面となります。
アイスバーンは特に交差点付近、橋とトンネル付近に多く発生します。交差点付近で起きる理由は、信号待ちの車の熱で雪が解かされて出来た水分が、夜のうちに冷え固まって凍結する事が原因です。橋やトンネル付近に多い理由は、風の通り道になっている事で気温が下がりやすいからです。
第3位:積雪によるスタック、脱輪
雪国では雪が降り積もる為、スタックや溝が見えない事による脱輪が多発します。他にもタイヤに雪が詰まることでハンドルが重く感じられたり、雪の重みでワイパーが破損する事もあります
また、車のドアを閉めた衝撃で大木に積もっていた雪が一気に落ちてきて、天井が凹むといったトラブルもあります。
雪国での対処方法を紹介

雪国ではトラブルに備え、十分に対策をしておく事が不可欠です。ここでは雪国での対策方法を紹介します。
バッテリー上がりの対策
・定期的に車を走らせる
車は走行中では、電力が補充されます。普段は乗らない方でも、いざという時にエンジンがかからなくてはとても不便ですので、最低でも週に30分は車を走らせておきましょう。
・バッテリーの交換(もしくはバッテリー液の交換)
バッテリー上がりを防ぐ為に最も有効なのは、バッテリーを交換しておく事です。バッテリーは2~3年で寿命ですので、自分のバッテリーがいつの物が分からなければ、ディーラーやガソリンスタンドに行って、バッテリーを確認してもらうと良いです。新品のバッテリーでも、バッテリー液を確認して、下限メモリよりも下回っていた場合には、補充液を足してもらいもしょう。
凍結によるスリップ、ガラス凍結の対処法
・スタッドレスタイヤを履く
スリップを防止する為には、スタッドレスタイヤが欠かせません。ただし、夏でもスタッドレスタイヤを使っているとすぐに劣化してしまうので、シーズンが過ぎたら、高温多湿の場所を避けて保管しておきましょう。
・解氷スプレーの使用する、撥水剤を塗っておく
ガラス凍結の対策方法としては、解氷スプレーの使用がオススメです。お湯ではガラスを痛めたり、溶かした際の温度差でガラスが再び凍り付いたりするので最適な方法ではありません。また凍結防止の為に、あらかじめ撥水剤を塗っておくのも効果的です。
積雪の対処法
・スタック、脱輪の場合はロードサービスに頼んだ方が良い
運悪くスタック、脱輪の際には無理に脱出しようとすると、かえって状況を悪化させかねません。おとなくJAF等のロードサービスを頼る方が得策です。また、トラブルの際には発煙筒や三角版使用する事で二次被害を防ぐ事にも繋がります。
・冬用ワイパーへの交換
一般的なワイパーでは、凍結や積雪が原因で破損してしまう事があります。その為、雪国を走行する際は冬用ワイパーへ交換する事をオススメします。また、積雪によるワイパーの破損を防ぐ為には、駐車する時にワイパーを立てて駐車するもの良いです。
以上、雪国で多い車トラブルをまとめて紹介しました。雪国出身でない方にとっては大変と思う事も、雪国出身の方にとっては当たり前の事なので、雪国出身ならではのたくましさを感じます。車のトラブルは後が大きく付きますので、もし雪国を走行される方がいましたら、是非参考にして頂けたらと思います。