車4位のステランティスが2021年1月19日、初の記者会見で英国工場の存続を決断すると発表がありました。カルロス・タバレス最高経営責任者(CEO)は、英国工場に新規投資するか決断すると発言し、新規投資しなければ工場は閉鎖につながると協議中の英政府に警告を発していました。また、2030年頃にガソリン車を禁止し本格的にEV化すると政府が発表したことについてや、ステランティスのEV化についても語っていました。本記事では、ステランティスの記者会見の内容を詳しく解説します。
ステランティスって何?

ステランティスって初めて聞いた人が多いのではないでしょうか。ステランティスとはフランスの自動車メーカー「PSA」とイタリアの自動車メーカー「フィアット・クライスラー・オートモービルズ」が出資して誕生した新たな自動車企業グループです。現在のステランティスは、トヨタ・日産・三菱・ルノー・フォルクスワーゲンなどの大手メーカーに並ぶくらいの大規模企業で、10以上のブランドを抱えています。
生産台数が世界4位
ステランティスの販売台数は世界4位と認められている自動車グループでもあります。ステランティスは誕生してからまだそんなに長くないので、世界4位という大規模ですがまだ知らない人が多いでしょう。ステランティスの由来はラテン語の「ステロ」から来ており、日本語で訳すと「星の光で輝く」という意味があります。今では世界第4位と認められたステランティスは、今後も輝かしい活躍をすることでしょう。
英工場は閉鎖しない

初の記者会見を開いたステランティスは、今後の生産能力を絞り中国市場の立て直しをするが、英工場は閉鎖しないと主張していました。コストダウンは年間37億ユーロ(日本円で約4,640億円)を可能にするとも言っています。カルロス・タバレス最高経営責任者(CEO)は、経営統合について「従業員を守る盾だ」と主張し、「結合結果による工場閉鎖はしない」と協調しています。
生産台数で価値を決める時代は終わる?
つまり、今後は車の生産能力を絞り、経営を立て直す方針ということです。これはステランティスだけでなく、ルノーも同じらしいです。おそらく、これからは生産台数や生産能力よりもコスト重視の車経営になっていくでしょう。そうなれば、生産台数が多いメーカーの価値が上がったり、生産台数が多ければ勝ちといった車業界の時代は終わるのかもしれません。
25年までに全ての新型車をEV・PHV化

英工場を閉鎖せず存続決断をした他、ステランティスは2025年までにすべての新型車を電動自動車化させるとも言っていました。年間50億ユーロ(日本円だと約6,300億円)で見積もる結合効果の8割程度を24年までに実現するとのことです。車台・消費者に見えない部品を共通化した様々なブランド・メーカーの姉妹車を多く投入する手法でいくとのことです。
2030年の車EV化に向けて
以上の手法で、現在29車種の電動自動車(EV・PHV)がありますが、2021年内にはさらに10車種の電動自動車をラインナップで追加するそうです。2021年末までには39車種の電動自動車モデルが登場するとのことで、グローバル市場での競争力を強化させます。そして2025年までには全ての新型車が電動自動車になり、2030年頃の100%EV化に向けて開発中です。
まとめ
生産台数が世界4位であるステランティスは、初の記者会見で英工場の存続を決断すると発表し、これからは生産台数で価値を決める時代は終わるかもしれません。また「2030年までにガソリン車販売禁止」に向けて、現在29車種の電動自動車を生産していますが、2021年末には合計39車種の電動自動車が登場すると言っています。そして2025年までにはステランティス全ての新型車が電動化するそうです。大手メーカーと並ぶステランティスの今後の活躍に期待です。