車は走る半導体と言われるほど数えきれないぐらい半導体が使用されています。一般的な車で30個、高級車になると80個もの個数が使われていると言います。
そんな自動車になくてはならない半導体が2020年秋以降、不足が続いているのです。これは日本だけの問題ではなく、アメリカやドイツなどでも半導体が足りず各国が「台湾」に半導体の増産を要請していることがわかりました。
そこで今回は半導体の不足について調べてみたいと思います。
車が造れない
2021年に入り日本の自動車メーカーの多くが予定よりも生産台数を減らすことを明らかにしました。車の需要は新型コロナウイルスの影響で一時的に落ち込みましたが、2020年の夏以降は急速に持ち直してきました。そんな中での減産に各方面は驚きを隠せませんでした。
半導体の役割
半導体はパソコンやスマートフォンなどに使われていることは知られていますが、自動車メーカーで使用されていることは意外ではないでしょうか？
しかし先ほども説明したように自動車には多くの半導体が使用されています。エンジンや変速機は勿論、ハンドル、窓、ライト、ワイパーなど様々な箇所で使われており、最近ではブレーキとアクセルの踏み間違いを防ぐための機能や車線はみ出し防止など高性能な機構に使用されています。
つまり半導体が不足しているとパーツが造れず、結果として車が生産できないのです。
半導体の不足に原因
では何故半導体は不足しているのでしょうか。その一番の原因は半導体の「生産に時間がかかる」です。
車の生産は一度大きく落ち込みましたが、夏には急速に回復しメーカーによっては月の生産台数が過去最高になったところもあるようです。しかし一度落ち込んでいたこともあり半導体の発注を大幅に絞っていました。
半導体は一般的に製品が完成するまでに3ヶ月以上の時間がかかります。そのため想定以上の回復量に対して半導体自体の生産が間に合わず、結果自動車が生産できなくなっています。
更には中国企業に対してアメリカ政府が行った制裁も、調達先の限定に繋がり不足に拍車をかける結果となりました。
半導体の製造の難しさ
先ほど半導体は製造するのに時間がかかると説明しましたが、その事について少し詳しく説目したいと思います。
安全性を求めて
自動車自体には高い安全性が求められる時代で、半導体にも同様に安全が必要になってきます。少しの不具合も許されない精密機械なため、製造ラインや製品のチェックは細かくする必要があります。そのため製造ラインが正常に作動し製品を納品可能になるまで数ヶ月を有するのです。
車は後回し
他の半導体メーカーからも依頼される台湾の「半導体受託生産メーカー」にも自動車用の半導体を製造して欲しいと注文が増えています。しかしこの受託生産メーカーはおパソコンやスマートフォン、ゲーム機など最先端の製品の半導体製造に追われており、自動車用の半導体は安価なこともあり製造を後回しにされています。
まとめ
色々な要因が重なり半導体の不足に繋がっています。そしてこの半導体不足問題はあと3ヶ月以上かかると言われており、まだまだ問題は続きそうです。今回のコロナウイルスの問題で、半導体自体の需要が微妙なバランスで成り立っていることが浮き彫りになりました。これからはもっと半導体の需要が増えていくので、安定した生産態勢の構築が必要になりそうです。
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