鐵工所から始まった株式会社シマノ。自転車部品と釣り具メーカーとして名高く、創業者は28歳という若さで初代社長に就任しています。株式市場に東証1部で上場しているシマノは、アウトドアスポーツメーカーとして大阪を拠点にしており、2001年から社長の座に就いていた島野容三氏から6代目へとバトンが渡されます。
小規模から

機械ひとつで
畳約23畳という広さで開業したシマノ。当時は月々家賃を払って事業を営み、自転車部品で重要なフリーホイールを六尺旋盤で作っていました。職人を目指す鍛冶屋の伝統を持った大阪府堺市は明治に入ってから自転車の生産の業種転換されており、鉄鋼職人であったシマノの創業者は自転車部品に目を付けます。
日本国内で自転車産業の中心地となっていた堺市。機械ひとつでフリーホイールを生産していたシマノは1939年に工作機械を200台、雇用人数を200人超える企業へと成長します。アメリカ合衆国やヨーロッパ諸国で起きたサイクルブームが追い風となり会社が大きくなっていったシマノ。ロードバイクやマウンテンバイク、レース用の自転車部品も手掛けていきます。
https://bike.shimano.com/ja-JP/home.html(シマノ)
世界企業へ

先鞭を着ける
2代目、3代目、4代目と島野三兄弟から経営を引き継いだ5代目シマノ社長。2代目社長の長男で、歴代社長が世界企業に力を注いでいた様にどこよりも早く電子制御に着手します。当時、自転車愛好家の中で自転車部品の電子制御に関心が移っており、シマノは高級ロードレーサー向けの電子制御技術を実用化しています。
レバーとギアをワイヤーで結んだ変速装置を使い、物理的に引っ張るシフトチェンジ。現在ではスイッチから電気ケーブルや無線で信号を送るモーターになり、シマノが開発した電子制御品の後に同様の製品が発売され電子制御の足並みが揃っています。時代の先を行くシマノの製品の開発。大学商学部を卒業した社長の目線は、企業に大きな羽根を付けています。
どの企業にもある不安材料
新型コロナウィルスの感染対策に必要な三密で中止が余儀なくされたイベント。自転車部品の制作するシマノにも追い風が吹き、自転車レースや釣り大会が中心になっています。部品メーカーゆえに目立たない存在のシマノは世界大手であり、陽の当たる場所に位置するキリンホールディングスや日産自動車などより大きい企業です。
需要に伸びが
手頃な価格で購入できる自転車は新たに利用する人も多くなり、日本国内や欧米で自転車の売り上げが伸びています。全体の売り上げ2割を占める釣具においては三密回避の需要を取り込め、アウトレジャーとして釣りを楽しむ人も増えています。自ら需要を創り出し知名度を上げてきたシマノ。根本的な発想転換が企業発展の大きな軸となっています。
No.1ではなく
業界をリードすると企業として歩んでいるシマノは会社をナンバーワンにする気はなく、全ての事を上手く出来るというコンセプトを持っています。創業100周年を迎える時期に社長を交代するシマノ。自転車部品業界で世界トップレベルのシェアを持ち、世界を制するパーツ会社として社会に貢献しています。
4代目社長の世界観
自転車業界が閉塞状態に陥っていた時期にシマノも経営困難という危機に直面していました。自転車が魅力を失いかけていた時に腕を振るった4代目社長。新商品やデザインなどを持ち通訳を介さず全米で営業を行います。英語でのプレゼンだけで意思が伝わり、経営者としての手腕を海外で発揮します。
https://bike.shimano.com/ja-JP/service-upgradeparts.html(シマノ/保守部品)
下地シャンプーが付属されているクリーナー

車のボディに付く水垢には種類があり、原因も落とし方もそれぞれ違いがあります。雨水と一緒に流れる水性の水垢や油分を含む油性の水垢、水滴が乾いた様なイオンポジテッドなどの汚れを落とすCar Zootのクリーナー。施工前に専用シャンプーでボディに付着した汚れを綺麗にします。2方式で初心者もカーケアが手軽に出来ます。
商人の町と言われる大阪府で商いを始めた株式会社シマノ。12坪といった狭い場所で部品作りが行われ、世代交代をしながら長い歴史を刻んでいきます。グローバル企業という羽根を広げたシマノ。創業100周年という輝かしい節目にトップが交代します。