自動車メーカーのスバルは2021年1月20日、トヨタとの相互出資完了したと発表がありました。スバルとトヨタは2019年9月に資本業務提携を拡大すると発表し、スバルはトヨタによる追加出資と同じ額でトヨタ自動車株を取得することになっていました。今回は「出資した金額はいくらか」「出資した目的とは何か」「トヨタとスバルの関係」についても詳しく解説していき、トヨタとスバルの今回の出資について一緒にチェックしてみましょう。
スバルはトヨタに700億円出資

2021年1月20日の発表によると、スバルはトヨタに約700億円出資し、トヨタへの出資比率は0.3%です。一方トヨタは昨年2月にスバル株を追加取得しており、出資比率が16.8%だったのを20.0%にアップしました。その頃、スバルは800億円を上限にトヨタの追加出資した額と同じ額で出資する予定だったそうです。
次世代技術の開発で連携する
今回スバルとトヨタが相互出資した目的は、車を電動化させるための次世代技術を共同開発するためだと言っています。2019年6月には、中・大型乗用車向けのEV専用プラットフォームとCセグメントクラスのSUVモデルのEV化開発にスバルとトヨタが協力することになったと発表がありました。スバルはこれまで独自で開発してきたEV技術を、トヨタとの共同開発に活用して、EVの開発・製造をさらに効率良く行うことができるようになりました。今後も2社が協力して、さらなる車の電動化を目指す方針です。
トヨタとスバルの関係

知らない人も多いかもしれませんが、トヨタとスバルは長い関係にあります。2020年2月に報道されたニュースによると、スバルはトヨタが出資比率をアップしたことから「その他の関係会社」になったと発表していました。2019年9月にスバルとトヨタは、提携関係を強化することで合意し、2020年2月にはトヨタがスバルへの出資比率を16.8%から20%にまでアップさせたことで、その他の関係会社になりました。
その他の関係会社になることでどうなる?
その他の関係会社になったことで、スバルは「トヨタとの事業上の関係がさらに強くなり、スバルの持続的な成長と中長期的な企業価値向上に資する」とのことです。スバルとトヨタはますます強い関係性になり、スバル独自の技術開発の成長が向上できるということです。スバルがその他の関係会社になった後は、電動化技術をトヨタと共同開発して関係を深めていきます。
当時のスバルはトヨタグループ入りを断っていた
今は深い関係になっているスバルとトヨタですが、最初の頃はトヨタグループ入りすることを断っていたようです。2012年頃、その時のトヨタは既に2社と提携していて、スバルと合弁はトヨタグループで3件目だと主張していました。しかしスバルは、「トヨタグループと言われるのは20%以上の出資を受けた企業なので、うちはトヨタグループではない」と言っていました。ですが、車業界で電動化・自動運転などのCASE開発が求められ、大きな開発費を分担できるパートナーが必要だと判断したスバルは、ずっと隣にいたトヨタグループについに入ることを決断したという過去があります。
スバルとトヨタ共同開発の新型モデルが2021年秋に発売

スバルとトヨタが共同開発で完成した「スバルBRZ」の新型モデルが、2021年秋に米国で発売されます。2020年に世界初披露し、2012年以来の初モデルチェンジです。「スバルBRZ」はスポーツ車なので、従来よりも走行性能をアップし、デザインはシンプルですがスポーティな印象があります。運転支援システムも導入されており、衝突回避ブレーキ・前方車の追従機能・コネクテッド機能など先進技術が搭載されていて現代に合ったスポーツ車に復活します。
まとめ
スバルとトヨタは実は深い関係で、スバル独自の技術開発やトヨタの最先端技術を活用して今後の電動化を目指しています。スバルとトヨタの共同開発で完成する次世代技術はどのようなものになるのでしょうか。現在は新型コロナウイルスの影響がありますが、今後もスバルとトヨタの活躍に期待しています。