皆さんはバキュームカーとは何かご存知ですか?
バキュームカーは私たちが生活するうえで必要不可欠のものになっています。
この記事では、バキュームカーとそのスペックについて紹介していきます。
バキュームカーとは何か?

バキュームカーは、トラックの荷台の代わりに大きなタンクと真空ポンプ、吸引ホースを装着した車両です。
液体状の汚物を吸引ホースで吸い上げて、タンクの中に貯蔵し運びます。
バキュームカーは、一般的に汲み取り式トイレの糞尿や浄化槽に貯まった汚水を回収するときに使われます。
排水溝に詰まってしまった汚泥を取り除く作業や、産業廃棄物の回収のためにも利用されます。
このように、バキュームカーは、人々の生活を維持するための重要な働きを担っています。
歴史
1951年に神奈川県川崎市で糞尿汲み取り用のバキュームカーが開発・導入されたのが始まりです。
衛生的に屎尿を回収できることが評価され、全国へ普及しました。
当初は、トラックの荷台にタンクをのせ、ホースを車体に巻きつけるものでしたが、後に電動のホース巻き取り装置が取り付けられるようになりました。
1980年代以降、下水道の普及によりあまり使用されなくなりましたが、現在も、建設現場の仮設トイレや下水道が完備されていない場所や山間部では、バキュームカーが使われています。
バキュームカーの役割
汲み取り式トイレの糞尿を吸引ポンプで吸い上げて運ぶ
下水道が整備されていない地域にある汲み取り式トイレ、イベント会場や工事現場に設置された仮設トイレなどが対象です。
浄化槽が設置されている企業や家庭をまわり、保守点検を行う
浄化槽はバクテリアなどの微生物の働きによって汚物を分解するため、浄化槽内の微生物が正しく働いているか、装置が正常に機能しているかなどを定期的に点検します。
浄化槽内部に入って清掃をすることもあります。
産業廃棄物の処理
工場や建設現場などで排出された液体状の産業廃棄物(汚泥や廃油)を回収して、それぞれの処理施設まで運搬します。
バキュームカーの活躍が多い県
近年下水道の整備率は毎年上昇しているため、これからバキュームカーの使用が減っていくではないか、と考えられています。
では、バキュームカーが出動するところを見たいとき、どこに行くのがいいかというと、下水道整備率が低い県に行くといいかもしれません。
ちなみに、下水道整備率が低い県トップ5は、徳島・和歌山・高知・鹿児島・香川です。(日本下水道協会の2017年のデータ)
バキュームカーのスペック

ここでは、「モリタVAR418」のスペックを紹介していきます。
バキュームポンプ
し尿などを吸引する役割を持っています。
真空ポンプで内部を減圧し、大気との気圧の差でし尿などの流動物を、吸入ホースから直接タンク内に吸引します。
主マンホール
取り付けフランジ部をタンクより高くすることで、満たんになった時の逆流を防止します。
その他の装備
人の作業効率を高める構造になっており、作業に必要な機器や装置類を操作パネルとしてまとめ、車輌の後方に設置しています。。吸排切換コックや吸排ボールコック、スロットルレバーなども集中配置しています。
その他
全長×全幅×全高:4695×1695×1995mm
車両総重量:5100kg
タンク容量:1800L
吸入ホース:48mm径×20m→2本
排出ホース:65mm径×4.2m→1本
まとめ
いかがでしたか?
バキュームカーは、糞尿を吸引ポンプで吸い上げて運んだり、各家庭の浄化槽の点検をしたり、産業廃棄物の処理をする役割があるため、私たちにとって必要不可欠なものとなっています。
バキュームカーには、糞尿を吸引するための工夫が施されているので、興味を持った方はぜひ調べてみてください。