日産自動車はこの度、自社工場でのアルミ部材をリサイクル利用できるシステムを導入したことを発表しました。今回の記事では、このリサイクル利用される仕組みについて詳しく解説していきます。
日産ローグとはどんな車なのか?

日産ローグとは、日産自動車が2007年から北米向けに製造しているクロスオーバーSUVです。日本国内の車種で言うと、エクストレイルと同じ車です。2.5L 直4 QR25DEのエンジンを搭載し、FF、4WDのみの展開となっています。米国日産スマーナ工場、韓国のRSM釜山工場、さらに日本の日産自動車九州でも生産が開始されている車になります。
アメリカでも非常に人気の高い車で、2021年にフルモデルチェンジすることが発表されています。もちろん併せて、日本国内のエクストレイルもモデルチェンジすることが発表されていますが、2021年の後半に発売が開始されると見られている車種です。
日産が開始したアルミ部品端材スクラップをリサイクルとは?

今回話題になっているのは、このローグを作る際に廃材として出てしまう「アルミ部材の端材」です。今までと車体重量軽量化の目的で部分的に素材を変更し、アルミニウムを活用しているところがあるのですが、この端材を再利用しようという動きが起きているのです。
米国日産スマーナ工場、日産自動車九州工場で導入されたシステムは、大型のエア搬送システムです。このエア搬送システムで端材となっているアルミニウムの中でも良質な部分だけを取り出して、さらに裁断。
そして、再び圧縮してアルミ板に変え、再度アルミニウムの部材として再利用する取り組みです。
このシステムの導入で日産自動車は自社で設定した「ニッサン・グリーンプログラム2022 」において、2022年に生産するクルマに使用する原料のうち30%を新規採掘資源に頼らない材料に代替することを目指しています。
SDGsの観点からも、非常に有効的な取り組みであると言えるでしょう。日産がこういった行動を起こすことで、さらに世界中の自動車メーカーが似たような取り組みを行うかもしれません。
車両の重量を軽量化するとどんなメリットがある?

今回日産が新型ローグの軽量化をしましたが、一体どんな効果が見込めるのでしょうか?解説していきます。
①燃費が良くなる
軽量化の効果1つ目は「燃費が良くなる」です。ボディを軽量化すると、その分エンジンへの負担が減るため、ガソリンの消費量が減っていきます。現状世界各国では、「脱炭素社会」を掲げ、co2排出抑制をテーマにしています。車体重量の軽量化で燃費効率が上がる事は、環境問題にもプラスになります。
また、今後電気自動車化をした際にも、小さなパワーで沢山走らせることが出来れば、充電の回数も少なくなったり、無駄な電力を使わなくて済むため、ここでも環境に優しい車になるのです。
②走行性能が良くなる
軽量化の効果2つ目は「走行性能が良くなる」です。車体の重量が軽くなると、カーブを曲がる際の走行性能がアップします。とはいえ、軽ければ軽いほどいいというわけではなく、車にとって適切な軽さまで絞り込むことが重要です。
走行性能が上がると、前述したように電気自動車化した際にも、モーターへの負担が少なくなり、より効率的な走行を楽しむことが出来るでしょう。
まとめ
というわけで、今回は日産自動車のローグ製造工場で、アルミ部品端材スクラップをリサイクルのシステムが導入したことを詳しくご紹介してきました。今回のような取り組みは、今後さらに世界中で加速度的に広がっていくのではないかと見られています。
ただ乗り易くて使いやすいだけの製品は、売れなくなっているとも言われ、どう環境に優しいのか?のアピールをすることが、今後の製品開発の要となっていくのでしょう。