芳賀・宇都宮LRTが2022年3月にデビュー予定でしたが、開業が困難な状況にあるということでデビューが1年先送りになることが、2021年1月25日に明らかになりました。栃木県宇都宮市のJR宇都宮駅東口と栃木県芳賀町の本田技研北門を結ぶ14.6kmの区画を整備し、現在は工事が8割程度進んでいます。なぜ今回1年先送りになったのか、また延長になったことにより車などの交通に影響はあるのでしょうか?本記事ではそれらについてや、延長により他に変更することになった点も解説します。
宇都宮ライトレールとは

芳賀・宇都宮LRT(宇都宮ライトレール)は、栃木県の宇都宮市と芳賀郡芳賀町を結ぶ予定の軽量軌道交通(路面電車)です。芳賀・宇都宮LRTの特徴は、既にある路線を延伸したり改良などは行わず、全く新しい路面電車をつくります。これは日本初の事例で、とくに鉄道ファンは大注目の話題ではないでしょうか。ちなみに、これまで路面電車が存在しなかった場所に路線が開業するのは1948年の富山地方鉄道伏木線(現在は万葉線高岡軌道線になっている)と言われています。
運賃や運行時間は?
計画では、運賃は「宇都宮駅東口からベルモール前まで」のルートだと150円、終点の「本田技研北門」までなら400円になる予定だそうです。運行時間は、ピーク時6分間隔・オフピーク時は10分間隔です。全線を普通電車の場合は約44分で、快速の場合は37分で結ぶ計画になっています。
開業が1年先送りになった理由と変更点

日本初の事例だと期待されている芳賀・宇都宮LRTが1年先送りになったのは、新型コロナウイルスの影響です。宇都宮市が公開した工事進捗状況では、事業面積全体の約95%の事業用地を取得し、整備区画の8割程度進んでいて順調のようです。しかし、昨年から流行している新型コロナウイルス感染拡大の影響で、残りの用地取得と工事ができなくなってしまったことにより、やむを得ず2023年3月に延長することになりました。2021年になっても未だに新型コロナウイルスの感染拡大はおさまる気配がありませんが、1日でも早くウイルスが消滅してほしいところです。
車両についても2ヶ月先になる可能性あり
車両も新型コロナウイルスの影響を強く受けています。予定では2020年末までに1編成目を納入するはずでした。しかし、新型コロナウイルスの影響で一部の部品調達が遅れている状況なので、2ヶ月ほど先に変更するようです。
事業費は226億円増える
その他、事業費も変更する予定だそうです。計画では宇都宮市の分412億円・芳賀町の分46億円で総事業費458億円でしたが、さらに約226億円増やすとのことです。上記通り、整備・工事は順調に進んでいますが、鬼怒川橋梁・野高谷立体区間の地盤が弱いことが判明し、地盤を強化するための工事費が約100億円必要になりました。さらに地下埋設物の補償に35億円・停留所などのバリアフリー化に50億円など追加費用が多くあり、合計で約226億円を追加するようです。
車などの交通に影響はあるか?

以上の理由により芳賀・宇都宮LRTは1年先送りになりましたが、整備・工事が延長されるということで車などの交通に影響はあるのでしょうか。現時点では交通に影響はないようですが、車の利用者急増により渋滞や遠回りが必要になる可能性はあるのではないでしょうか。芳賀・宇都宮LRTデビュー後は車などの交通に影響はあるでしょう。工事で観光客で賑わっていた宇都宮餃子の特設店舗は撤去されたり、高架橋の道路の中央が線路になる予定とのことで、整備・工事中は今まで通れた場所が通れなくなったりするという影響はあると思います。
まとめ
新型コロナウイルスの影響により、宇都宮ライトレールは2023年3月に開業予定です。総事業費が計画よりも大幅に増えることになり、より安全性・利便性の高い軌道になることでしょう。整備・工事をするため今まであった場所が撤去され、観光スポットや車の交通状況は多少影響があると思います。選挙から間もない頃に、計画変更が発表されたため批判の声が多いかもしれないと言われていますが、新型コロナウイルス感染拡大が未だに落ち着かない状況なので仕方のないことではないでしょうか。