1960年代から変わらないスタイルで製造、販売が行われているスポーツカーがあります。それは「ケータハム・カーズ社」の「セブンシリーズ」です。ケータハム・カーズはイギリスの小規模自動車メーカーで1973年にサリー州のケイタラムに設立されました。今回はそんな長年変わらないスタイルを貫いている車の歴史をご紹介させていただきます。
ロータスのディーラーを経て
ケータハムカーズの創始者である「グラハム・ニアーン」は1959年ロンドンの郊外ケイタラムに、ロータスディーラー業を経営していました。1973年「ロータス・カーズ社」がロータス・セブンの生産中止を発表した時、ロータス・セブンを気に入っていたグラハムは、製造権をロータス・カーズから取得してしまいます。工具なども揃え自身でセブンの製造を始めます。こうしてセブンを愛する心により「ケータハム・カーズ」は設立されました。

シリーズ4からシリーズ3へ
当時ロータス・セブンを手放す理由となったのはバギーカー風の「シリーズ4」が不評だったからです。それを感じとったグラハムは、旧モデルのクラブマンレーサー風の「シリーズ3」に目を付けシリーズ4は60台程度で生産を中止しシリーズ3の生産にシフトしました。もともと復興を願う声も多かったこともありユーザーの支持を得ることとなります。ちなみに単なる復興ではなく、各部の補強や電動ファンの搭載など使い勝手も向上させたモデルとなりました。
シリーズ3に比べシリーズ4はFPRボディや最新のフレーム制作はコストもかかっていたので、代理店としてスタートしていたグラハムにとってはシリーズ3の人気は良い傾向でした。
これ以降は、エンジンやサスペンションなどに独自の小さな変更は加えつつも「ケータハム・セブン」は主力製品として製造、販売が続けられています。
買収されても残るセブン
2005年には、息子サイモンに引き継がれていたケータハム・カーズは、元ロータスのゼネラルマネージャーであるアンサー・アンリを中心としたグループにより買収されるものの「セブン」の生産は続けられました。2011年にはとにー・フェルナンデス率いるF1チーム「チーム・ロータス」に買収されF1に参戦することになります。2012年には「ケータハムF1チーム」と改名されましたが2年後の2014年にはフェルナンデスが売却しF1から撤退していきました。しかし、買収、売却をされていてもセブンは愛され今なお現役で走っています。
小規模ビジネス
ケータハム社では多種多様な車種が存在しています。シリーズ3のセブンを始め、ロータスツインカスタムやケータハム・ブラックバードなどのごく少数台しか作られなかったものまであります。そんな多品種を生産している工場は決して大きいものではありません。メイン工場には25名の従業員で流れ作業ではなく、少量多品種生産に適したブースを設置し1ブースあたり2名で手作業で生産されています。そういった試みも人気の理由になっています。
まとめ
車は現代のスタイルに合わせ進化していきます。さらに最新技術は日夜研究されており今後も今では想像もつかない車も今後登場するでしょう。しかし、車産業を築いた時代の車は失われることなく残り続けて欲しいと思います。ケータハムもその一つと言えるのではないでしょうか。
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