2021年1月25日に英国ロータスカーズ(Lotus Cars)が、今年中に「エリーゼ」、「エキシージ」、「エヴォーラ」3車種の生産を終了すると発表しました。同時に、後継車として新シリーズのスポーツカー「タイプ131」の開発計画を立てているとの公表も致しました。では、なぜロータスカーズがこのような大規模な改革に踏み切ったのか。この記事ではその背景と今後のビジョンについて考えていきたいと思います。
ロータスカーズの歴史

そもそも、イギリスの名門ライトウエストスポーツカーブランド「ロータス・カーズ」車とは、どのような会社であるのか。その歴史について振り返ってみたいと思います。
ロータスの誕生は、1948年に創業者であるコリン・チャップマンが最初に手がけました。しかし、正式にロータス・エンジニアが設立されたのは、1952年の事でした。以後、1957年に最も偉大なロータス・セブンという、F1やF2などのモータースポーツ用のレーシングカーを製造し、1962年には低コストで軽量な構造を実現するための鍵となったエランを開発し、より実用的で文明的な車を発表していきました。
1996年には、軽量かつシンプルで手ごろな2シータースポーツ。アルミニウム製のバスタブ・フレームを備えたエリーゼを開発しました。エリーゼは瞬く間にヒットし、20年以上のロングセラーを誇りました。
このように、ロータスカーズの歴史を見ていくと、今日のF1やレーシングカーへと通ずる数々のイノベーションを巻き起こし、モータースポーツの技術向上に一役も二役も買ってきたと言っても過言ではありません。
生産終了の背景にあるものとは

今回生産を終了すると発表した背景には、経営方針の変更が大きく影響しています。過去を振り返ってみると、この30年で大株主が4回も変わった上に、経営方針の変更や商品ラインアップの整理も行われてきました。
例えば、生産終了になった3車種は、2003年までローバー社によるエンジン供給を受けていました。しかしながら、ローバー社の経営破綻によりトヨタ製のv6エンジン供給へと変更していきました。ちなみに自社設計ではなくトヨタ製を用いた理由には、トヨタが低コストで開発できるFF用エンジンを用いていた為。また、エリーゼの2005年モデルをアメリカで発売するにあたり、2004年当時あった排出ガス規制にも対応させるためでした。
このように、時代と共に変遷を繰り返してきたロータスですが、今回生産終了に踏み切ったのも、経営方針の変更が関わってきていると見て取れます。以下では後継車として登場した「タイプ131」について詳しく説明していきたいと思います。
後継車「タイプ131」の特徴
実は去年の10月12日に、英国へセル工場のアップグレードを行ったと発表しています。これには数百万ポンドを投資した上に、最先端のエンジニアリングテスト施設も開設したとのことで、今回の発表でも従業員を250人更に追加したと発表しています。
また後継車「タイプ131」には、2017年にロータスの親会社になった「ジーリー」(中国の自動車メーカー)が開発製造するエンジンが、搭乗される可能性があるとの見方も示しています。これまで見てきたように、ロータスは幾度となく経営と資金面の両面で変遷を迫られています。よって、これからは「ジーリー」傘下の元で新しい動きを見せるだろうと予測ができます。
ちなみに、今回後継車となった「タイプ131」には、現在ラインアップがされているロータスのモデルのいずれかを置き換えする新型車として開発されているのではなく、軽量化の為に内燃機関のみパワートレインで出来ています。しかし、ハイブリッドやEVは採用されない見込みだとも発表しています。
ロータスカーズの今後のビジョン

新しい生産設備への投資はロータスの「Vision80ビジネスプラン」の戦略の一部であることから、今後も私たちを魅了させてくれることでしょう。ちなみに、「Vision80ビジネスプラン」とは、2028年の創立80周年へ向けて「毎年結果を出す」「商品レンジの革命」「ビジネス全体の変革」という3つの柱からなる「Vision80」とネーミングされたプランの一環であります。
また「タイプ131」は現行のエリーゼやエキシージ、エヴォーラと同じ3モデルで構成される模様で、デザインも「エヴァイヤ」がベースであることは窺えませんが、最近のロータスの活発な動きを見ていると、今後の動向にも目が離せそうにありません。

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