2輪車向け自動緊急通報システム、というものを聞いたことがあるでしょうか。どのようなシステムなのか、使用が拡大することで車への影響はあるのでしょうか。2輪車向け自動緊急通報システムについて、詳しく解説していきます。
ボッシュとは
ボッシュとは、ドイツの多国籍エンジニアリング・テクノロジー企業です。グループ企業全体では従業員数約40万人という巨大企業であり、リーディングサプライヤーとしての地位を確立しているのが大きな特徴といいえるでしょう。世界中のほぼすべての国を網羅しているグローバル企業であり、126もの拠点を持ち、約7万2600人が研究開発に携わっています。
世界の事故状況を調査することでどのような状況で事故が起こるのか、その結果どういったことになるのかなどのデータを集めています。さまざまな事故データを集めることで、より良いシステムの構築ができるでしょう。いざというときにライダーの生死を分けるであろうヘルプコネクトは、緊急事故から生還を果たすライダーのために作られました。
実際に発生した事故の調査をして過去のデータを参考にすることで、わかることもあります。事故の研究者は、二輪車に関して安全性を向上させる技術革新のきっかけをつかむことができるでしょう。
2輪車向け自動緊急通報システムとは
ボッシュが開発した二輪車向け自動緊急通報システムとは、どういったものなのでしょうか。「ヘルプコネクト」と呼ばれるそのシステムは、緊急事態が起こった際にライダーが迅速に救援を受けられるようにしたものです。いざ事故が起こった際にライダーの命を分けるのは、どれだけ早く救助されるかでしょう。そのため、ボッシュはこのシステムを開発しました。
具体的には、慣性計測センサーユニットが車両に搭載されていて、そこに組み込まれているアルゴリズムにより事故を検知することができます。事故が検知されるとスマートフォンアプリを通して事故現場とライダーに関する情報をボッシュのカーサービスステーションを経由することで救急サービスに送信することができます。目的は事故を起こしたライダーをできるだけ早く発見することであり、素早い救助です。
ヘルプコネクトが提供するデータは位置情報があるほかには、救命活動において極めて重要な役割を担う可能性のある医療関連データもライダーから提供されたものが送信されます。
連携可能なアプリは
Bluetooth経由でボッシュの緊急通報用アプリ「Vivatar」に接続することで、緊急事故が起こったときにアプリが事故現場とライダーに関するデータを送信してくれます。「Vivatar」でなくては使えないかといえばそうではなく、そのほかのアプリでも連携することができます。
ほかには二輪車メーカーが提供する専用のアプリや、そのほかのスマートフォンアプリの中にも連携できるものがあります。
ヘルプコネクトの提供は、まずはおひざ元のドイツユーザーからの提供になります。ボッシュ カーサービスステーションと連絡を取るには、欧州各国から可能です。その際に使用される言語は、ドイツ語と英語になるでしょう。深刻な事故の場合にはライダーからの応答がなくても、救急隊が直ちに現場に駆け付けるようになっています。
早めの救助が生死を分ける

いくら車に手をかけてきれいにしたとしても、事故が起こってしまえばどうしようもありません。もちろん事故が起こらないように細心の注意を払うことも大切ですが、それだけではどうにもならないこともあります。そんな時ヘルプコネクトのような、緊急対応できるシステムがあれば素早く救援が来て命が助かることもあるでしょう。そのためヘルプコネクトの成功は、ライダーだけでなくドライバーからも期待されているでしょう。今後は二輪車だけでなく、自動車にも適用されることが望まれています。