2021年1月20日、GM(ゼネラルモーターズ)とトヨタが連携して自動運転の実証実験を始めるとニュースがありました。GMはアメリカ、トヨタは日本の自動車メーカーです。この2社はどういった関係で、今回自動運転の実証実験を協力することになったのでしょうか。本記事では実証実験する自動運転車両の紹介や、GMとホンダの関係についても触れていきます。
実証実験する自動運転車両を紹介
ホンダはGMと、日本での自動運転モビリティサービス事業に向けた協業を合意し、クルーズの自動運転車両「クルーズAV」「クルーズ・オリジン」を日本へ導入するとのことです。クルーズAVは、技術実証に用いるGMの「ボルト」がベースになっている自動運転車両です。クルーズ・オリジンはGMとクルーズとホンダの3社で共同開発された自動運転モビリティサービス事業専用車両で、公式サイトでは日本へ導入された後のイメージ画像が公開されています。ホンダの代表取締役社長は「今回は全ての人に生活の可能性が拡がる喜びを提供するというビジョンで掲げる移動と暮らしの新価値を創造するものであり、ホンダは今後も志を共にするパートナーと協力して日本の自動運転サービス事業の実現に向けて加速していきます」とコメントしており、安全で便利な交通手段が完成する第一歩だと思います。
ホンダとGMは長年の信頼関係にある

ホンダとGMが数年前から連携して自動運転開発などに取り組んでいますが、この2社はどういった関係なのか気になる人もいるのではないでしょうか。GMは過去にいすゞやスズキなど他の日本自動車メーカーと資本提携してきており、GMも日本メーカーもお互い決して裏切らない会社だと言います。ホンダとGMがFCEV分野での協業を発表したのは2013年で、FCEV関連でこの2社が持つ特許は合計約1,200件もあり、当時は圧倒的群を抜いた数でした。
2018年には自動運転分野でホンダとGMは協力し、自動運転に必要なBEV用2次電池を共同開発し、難しいとされている自動運転レベル3に苦戦します。そして2020年4月に、ホンダとGMはBEVでの協業を発表し、北米市場のみではあるものの、共同開発したBEVをホンダも協力しながらGMの工場で生産し、BEV用2次電池の開発だけでなく車両全体の協業を行っています。このように成功しているためホンダとBMは強い信頼関係にあり、今後も自動運転に関する提携をするでしょう。
ホンダとGMの戦略
以上のように、GMは他にも様々なメーカーと協力していますが、その中でもホンダとの関係は長いようです。自動運転車両のバッテリー開発や自動運転の実証実験など、完全自動運転に向けてどのメーカーよりも積極的に取り組んでいます。自動運転はいつ普及するのかは未だに不明ですが、やるなら今だという気持ちで技術の共同開発に進めているのだろうと伝わってくる感じがします。
トヨタ車の自動運転開発

トヨタはこれまでに、自動運転の開発を多く発表しています。現在は、場所問わず幅広いシーンに対応できるオーナーカー向けの自動運転技術、場所や利用方法が限られている移動サービス向けの自動運転技術の実現に向けて開発しています。この技術が普及すれば東京オリンピック・パラリンピックで、選手や関係者の移動をサポートしたりできると言ってます。
自動運転を普及させる取り組み
これらのような自動運転を普及させるには、ハードウェア開発とソフトウェア開発を両方進めなければなりません。ハードウェア開発はものづくりの時間を最小化し、ソフトウェア開発はトライ・エラーを素早く回すことができます。これらの開発や自動運転システムの実用化させるためには様々な課題がありますが、トヨタは全ての人の移動が便利になるように今後も自動運転開発に取り組んでいます。
まとめ
ホンダとGMは「お互い裏切らない」と強い信頼を持っているため、長年協力し合って自動運転システムの開発に取り組んでいます。実際に過去には喜ばしい成果ができており、現代では難しいとされている自動運転システムの開発も無事に成功できるよう願っています。2021年中には、今回発表された自動運転車両で技術の実証実験がスタートする予定です。