突然ですが、タクシーといえばどんな車か思い浮かべてください。
どうでしょうか、多くの方が黒いクラウンを想像されたのではないかと思います。
タクシーの多くがクラウンなのはなにも法律でそう決められているわけではないのです。
では、なぜタクシー=クラウンが定着しているのでしょうか?
今回はタクシーの車種について解説します。
タクシー=クラウンは厳密には誤り。クラウンコンフォートとは?

街を走るタクシーの多くに使われているクラウンは、厳密にはクラウンとは異なります。
あれはクラウンコンフォートという車種で、一般の乗用車として販売されているクラウンとは設計などが違っているのです。
そもそもタクシーとして車両を利用するためには、国土交通省が定めたさまざまな規定を満たす必要があります。
クラウンコンフォートはタクシー専用車として設計されており、タクシー車両として必要なエンジンや、表示灯を点灯するための電源も引かれているので、タクシー会社に納車さえしてしまえばすぐに使えるといってもよい状態です。
例えばスカイラインなどもタクシー車両にすることは可能ですが、納車してすぐにタクシーには出来ません。
大きな費用をかけてタクシー車両に改造する必要があるので、不必要な経費がかかってしまうのです。
すぐに使える以外にもクラウンコンフォートをタクシー車両に採用する利点は数多くあります。
その利点を5つ、以下で説明します。

1.整備が難しくない
クラウンコンフォートはタクシー車両として製造されているので、部品などの供給が安定しています。
タクシーは自動車なので不備が出る可能性は常につきまといます。
車両に何かあった際、すぐに修理できるのはタクシーとして必須条件と言えるでしょう。
2.車両が丈夫であること
タクシーはお客さんを乗せて道路を走ることが仕事です。
通勤や買い物に使用される一般車と違い、1日中走行することもあります。
つまり、私たちが普段使いする乗用車より丈夫であることが求められるのです。
クラウンコンフォートの車体やエンジンは非常に丈夫にできていて、壊れにくいのです。
整備が安定しているとはいえ、壊れにくいことも最低限必要な条件という訳です。
3.燃費がいい
ともすれば1日中走行する必要があるタクシー車両。
当然ガソリンも多く消費します。
1リットル当たりの走行距離が短い、すなわち燃費の悪い車両は好まれません。
それもそのはず、お客さんを乗せて走るたびにガソリンを補充していては儲かりません。
クラウンコンフォートは燃費がよく、仕事用の車両として優れているのです。
4.後輪駆動の車両である
近年車道を走っている自動車の多くは前輪駆動です。
クラウンコンフォートは後輪駆動で走行する車両が多いのです。
後輪駆動の車両は、前輪駆動の車両と比べてドライブシャフト(エンジンの動力をタイヤに伝える部品)の耐久性が高くなっています。
壊れにくい車両が求められるタクシー車両ですから、後輪駆動の車両は適しています。
5.車両が割安
個人経営のタクシーでもない限り、経営を成り立たせるためにタクシー車両は数が必要になります。
タクシーに利用されるクラウンコンフォートは低コストで丈夫な車両を作る技術によって製造された優秀な車両です。
一般に販売されているクラウンが400~600万と非常に高価であるのに対し、クラウンコンフォートは200~220万とかなり安価で販売されています。
コストパフォーマンスに優れているクラウンコンフォートはそういった意味でもタクシーに適しています。
タクシー=クラウンの時代は終わる?

ここまでで数多くのメリットを紹介したクラウンコンフォートですが、2017年3月をもって生産を終了しています。
今後はジャパンタクシーという車両に切り替わっていくかと思われますが、依然タクシー車両としては根強い人気を誇っているクラウンコンフォート。
街中を走行するのを見かける機会は減っていくかもしれませんが、彼らが素晴らしい車であったことはいつまでも変わりません。

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今後どのように変わるのか気になります!