皆さまの中にも、日常的な移動手段が自動車である方は多いかと思います。自家用車に限らず、社用車であったりする方もいらっしゃるでしょうし、公共の交通機関であるバスを使われる方もいらっしゃることでしょう。
ダイヤが定められて運行されるバスにトラブルがあっては乗車した人に損失を与えてしまいますので、整備などはきちんとして欲しいとお考えの方は多いかと思います。
バスの完全自動運転が将来的に実現が予想されているのはご存じでしょうか?
乗務員の居ないバスの運行が実現したとすると、それは未然にトラブルを十分に防ぐ機能を有していないといけないことは明白です。
新しいバスの形を実現するために、ブリヂストンが2020年7月よりサポートを開始しました。今回はブリヂストンがサポートする実証実験について説明します。
タイヤマティクス

ブリヂストンは、グループ会社であるブリヂストンタイヤジャパンが「中型自動運転バス公道実証実験事業」においてバス運行事業者に選定された神姫バスの実証実験をサポートすると発表しました。
これは経済産業省、国土交通省より産業技術総合研究所が受託したもので「郊外住宅地における生活の質の向上に向けた地域内交通の確保」がテーマになっています。
分かりにくい言葉が並びましたが、要するに「中型バスを自動化し、よりよい生活が出来るようにする」為の事業だと理解すればおおよそ大丈夫です。
今回神姫バスでは「タイヤマティクス」をトライアルで導入しました。タイヤマティクスとは、自動車が運送事業者の拠点出入口を通過する時に使用されるシステムで、タイヤの空気圧や温度情報を高精度に測定し遠隔モニタリングを可能にするデジタルツールです。
もしタイヤの状態に異常があれば速やかに車両管理者に通知が届き、低内圧によるトラブルの未然防止を行うことが可能になります。リアルタイムでタイヤの状況を正確に把握し、状況の改善を行えるようにするシステムの導入によって、より安心して乗車出来るようになるということです。

空気圧が正常でない場合のトラブルの一例

タイヤの温度が高くなりすぎるとバーストする原因になりますが、空気圧が正常でない場合はどのようなトラブルが起こるのでしょうか。簡単にご紹介したいと思います。
空気圧が低い場合
タイヤの空気圧が低い場合、タイヤは走行時のゆがみが大きくなります。ゆがみが大きい状態で走行を続けると以上発熱が起こり、タイヤが剥離したり破裂したりする原因になります。また、運転する際の操縦性に悪影響を及ぼしたり、燃費が悪化することも考えられます。
空気圧が高い場合
タイヤの空気圧が高い場合、タイヤはパンパンに膨れ上がった緊張状態を維持することになります。膨れ上がったタイヤは衝撃を吸収する緩衝能力が通常よりも低下している状態です。結果として、普段は受け流すことの出来る衝撃を和らげることが出来ず、タイヤが傷を受けやすい状態を作ってしまいます。
空気圧によるトラブル例だけでも、それを未然に防ぐことが出来るタイヤマティクスの恩恵についてご理解いただけたのではないでしょうか?余談にはなりますが、これらのトラブルは勿論バスに限らず自家用車でも起こりうることですので、皆さまもマイカーのタイヤの点検は定期的に行って頂ければと思います。
最後に

いかがだったでしょうか。「タイヤと言えばブリヂストン!」というくらい有名な企業ですから、こういった事業の将来の為に参入してくれるのは心強いと思いませんか?
既に欧州やアジア大洋州地域などの運送事業者に展開しているタイヤマティクスですが、現在日本のバス事業で展開されているのは兵庫県三田市内の神姫バス運行経路のみです。
今回の実証実験で十分な成果を示し、全国のバス事業がより安全なものになってくれることを期待してやみません。
