シートベルトは安全のために必須の装備であり、車に乗らない人でも知っているくらい当たり前のものです。シートベルトは車が生まれた当初から備わっていたものなのでしょうか。それとも途中から考案されたものなのでしょうか。
この記事ではシートベルトが誕生したきっかけを解説しています。シートベルトがいつ生まれ、当たりまえになったのか歴史をひも解いていきましょう。
シートベルトが誕生した歴史

シートベルトが誕生するきっかけとなった歴史は1899年までさかのぼります。イギリスのロンドンでダイムラーの自動車事故により、搭乗者2名が放り出され死亡した事故が原因と言われているのです。
この事故を発端に1903年にシートベルトの前身となる自動車等の防御用ベルトが開発されます。世界で1903年から開発がシートベルトの開発が始まりますが、日本ではいつシートベルトの義務化が進んだのでしょうか。

日本でのシートベルト義務化の流れ

日本では1969年4月以降に生産された乗用車すべてにシートベルト実装が義務付けられました。この義務化も運転席のみであり、現在のように助手席や後部座席への義務化はされていませんでした。
1973年4月以降に生産された乗用車すべての助手席に、1975年4月以降に生産された乗用車すべての後部座席にそれぞれシートベルトの装着が義務付けられるようになったのです。
1971年には運転席・助手席の運転時のシートベルト着用が義務化され、2008年には全席のシートベルト着用が義務化されました。シートベルトの実装は比較的早かったものの、全席の着用義務化は2000年代に入ってからと非常に遅いことがわかります。
シートベルトはなぜ急に締まるの?

シートベルトを急に引っ張ったり、車が急ブレーキをかけた際にシートベルトが締まり今以上に引っ張り出せなくなる状態になります。
これはベルトを巻き取る装置であるリフレクターの内部にボールセンサーが仕組みを担っています。
ベルトが急に引き出されるスピードや自動車の前進・後進によって慣性が働き、ボールセンサーが前に進んで歯止めrとなるアクチュエーターを押し上げます。アクチュエーターがベルトをかむことでベルトが締まる状態となるのです。
シートベルトが支えられる重量の限界

シートベルトが支えられる重量は3トンで、乗用車1台をシートベルト1本で吊り上げられるほどの強度となります。シートベルトの強度試験でこの条件をクリアしていないと装着できませんので、乗用車すべてが3トン以上の力に耐えられるのです。
シートベルトの有無による事故被害の違い

実際にシートベルトをした際の交通事故の致死率はどのように変わるのでしょうか。交通事故の運転手致死率はシートベルト着用時の場合0.16%であるのに対し、非着用時の致死率は8.92%と実に56.5倍もの差が生まれます。
助手席・後部座席を含めた致死率で比べてみても着用時は0.16%であるのに対し、非着用時は2.3%と14.3倍も違うのです。運転前にシートベルトをつけるだけで、もしもの際の致死率を大幅に下げることができます。運転時には必ずシートベルトの着用を義務付けましょう。
まとめ

シートベルトの歴史は古く、開発は1903年から始まり、日本では1969年にシートベルト実装の義務化が始まります。
運転中の全席シートベルト着用義務化は2008年と歴史は浅いですが、着用の効果は大きくシートベルト非着用時の致死率を14.3倍も下げることができるのです。
ついついめんどくさくなりがちなシートベルトの着用。3トンもの荷重に耐えることができる脅威の強度を持っています。もしもに備えてかならずシートベルトを着用しましょう。
