シリンダーブロックという言葉を、聞いたことはあるでしょうか。言葉は知っていても、詳しい仕組みや構造までは知らない、という人もいるかもしれません。今回はそんなシリンダーブロックの仕組みや構造などを、詳しくご紹介していきます。
シリンダーブロックとは

そもそもシリンダーブロックとは、車のどこにあるのでしょうか。実は、車の心臓ともいえるエンジン部分にあります。シリンダーブロックは一つの部品を指すのではなく、クランクシャフトなどさまざまな部品を納めたもののことを指します。
基本的に内部には、車の構造上最も大切な部品が集められています。クランクシャフトはクランクケースに収められ、さらにシリンダーブロックに組み込まれているため、厳重に守られているといってもいいでしょう。
シリンダーは燃料を取り入れることで、ピストンを動かします。その力をクランクシャフトが回転運動に変えます。そのため、万が一にもクランクシャフトが破損してしまうと、エンジンが動かなくなってしまうでしょう。だからこそ、大切な車の中心であり、心臓ともいえる部品を納めたシリンダーブロックは、強くしっかりとした素材で作られています。
シリンダーブロックの素材

大切な部分を守るために、強い素材で作ることが求められるシリンダーブロックは、いったいどのような素材で作られているのでしょうか。シリンダーブロックを形作るには、加熱した鉄を型に流しいれて作る鋳鉄、もしくはアルミ合金などが主に使用されます。
鋳鉄とアルミ合金は、それぞれに短所と長所がありました。鋳鉄は頑丈ではあるものの重くなりがちで、アルミ合金は軽いものの頑丈さは鋳鉄に及ばずコストも高くなりがちなのが悩ましいところでした。とはいえ技術は日々進歩し、欠点を補えるような小型アルミが近年開発されています。
従来のアルミ合金とは違い、新しい小型アルミは頑丈でかつ軽量であるために使用する車も増えつつあります。また、小型のアルミ合金は鋳鉄と違い衝突安全性やリサイクル性も考慮されています。どんどん新しい技術を開発し、取り入れることでより快適な車が製造されています。
シリンダーブロックの構造
シリンダーブロックは、シリンダー部分とクランクシャフトを納めた部分のことを言いますが、その構造はどのようになっているのでしょうか。内部にあるのはその二つの部分だけではなく、ほかにも冷却するための水、エンジンオイルの通路などもあります。シリンダーブロック内の部品は強固なボルト結合によって各種補機類をうまく収めています。
エンジンの種類によっては、エンジンオイルが独立してあるものとシリンダーブロック下部にエンジンオイルをためる部分があるものとがあります。とはいえ、エンジンオイルはシリンダーやクランクシャフトを循環するために、シリンダーブロックとは切っても切り離せない大切なオイルです。
そのほか車によって違いますが、中にはバランスシャフトが内部にあるものもあります。バランスシャフトは、クランクシャフトの振動を抑制するためのもので、こちらも大切な部品に違いありません。シリンダーブロックの上部にはシリンダーヘッドと呼ばれる点火プラグやカムシャフト、冷却水や排気用バルブなどが収められた部品です。
定期メンテナンスが大切

シリンダーブロックは、破損してしまうとエンジンが止まってしまうでしょう。走行中であれば、大事故につながりかねません。そのようなことにならないためにも、定期的にエンジンなどもメンテナンスすることが大切です。定期的にメンテナンスをすることで、劣化していたり破損している部分を早めに修理することができます。
特にヴィンテージカーを購入する時には、注意が必要です。目に見えない部分で劣化や破損がある場合があります。楽しいカーライフを送るためにも、ぜひ定期メンテナンスを忘れないようにしましょう。