コリジョンコース現象という言葉は聞いたことがないドライバーが多いのではないでしょうか。車には様々な現象がありますが、コリジョンコース現象は交通事故のリスクがある危険な現象であり、いつも通りにドライブをしていた時にも起こり得る現象です。今回はコリジョンコース現象とは何か?原因や対策方法も含めてご紹介します。
コリジョンコース現象は非常に危険

コリジョンコース現象とは、ドライバーが運転中に錯覚を起こし、他車とぶつかって事故を起こしてしまう恐ろしい現象です。見通しが良い道路を通常運転していると、他の車が接近してきているのに、視界では停車して見えることがあります。この錯覚によって、他の車とぶつかりそうな距離であることに気づかずそのまま事故を起こしてしまうのです。なぜドライバーが錯覚を起こすのかは後に詳しく解説していきますが、病気などが原因ではありません。
衝突事故の原因の一つ
コリジョンは、日本語で「衝突」という意味があります。実際にコリジョンコース現象の錯覚が原因で、衝突事故が起こっているケースもあります。見通しが良く運転しやすい道路なのにぶつかってしまった場合、殆どはコリジョンコース現象が原因でしょう。見通しが良い道路とは田園風景が広がる所なので、別名「田園型交通事故」とも呼ばれています。
他車も気づかないことがある
コリジョンコース現象は、ぶつかったお互いが引き起こしていることもあります。見通しが良い道路では錯覚が起こしやすいため、相手側もこちらの車に気づきにくいのです。見通しが良いとスピードを上げて走行しがちなので、お互いがコリジョンコース現象を起こしていれば、2台が思いっきりぶつかって重傷や死亡する可能性が高いです。
どうして錯覚が起きるのか?

人間が見える視界の範囲で形・色を判別する中心視野と、しっかりと見ていないけど視界にはぼんやり入っている周辺視野があります。周辺視野に入っているものは、動いていないと上手く認識することができません。車の運転に慣れると、交差点などで車が近づいてきても周辺視野だけで認識しがちになります。そうすると、相手の車が止まっているように錯覚してしまい、ぶつかる直前まで気づかずにそのまま衝突事故を起こしてしまうのです。
コリジョンコース現象にならないためには?

錯覚は誰にでも起こることなので、自分は大丈夫だと思ってはいけません。コリジョンコース現象の錯覚を起こさないためには、運転免許取得の教習所で教わった周辺確認が重要です。ドライバー皆さんはおそらく、教習所の運転講習を受けた時に教わったと思うので、思い出してみてください。
①目だけ動かして確認しない
教習所では「首を動かして周辺を確認しましょう」って言われると思いますが、首も動かして見ることによってコリジョンコース現象を避ける効果もあります。首を動かすと言うよりも、色も形も判別できる中心視野に入るところまで顔を向けるのが大切です。運転に慣れると目を動かすだけで周辺を確認する人が多いですが、目だけだと錯覚を起こしやすくなるため危険です。
②基本中の基本を忘れずに
顔を向けるだけでなく、交差点を渡る前に一度少し減速して周辺を確認することをおすすめします。とくに田園風景が広がる見通しが良い道路では錯覚になりやすいため、そういった道路で運転する時は、一度減速して周りをチェックしてください。交差点注意の看板や標識が設置されている所もあり、設置されていない場合でもしっかりと確認して安全運転を心がけましょう。看板や標識を見る・周辺を確認することは、運転では基本中の基本ですが、見通しが良いとどうしても怠ってしまいがちなので油断しないようにしましょう。
まとめ
以上、コリジョンコース現象の恐ろしさや原因・錯覚を避ける方法を紹介しました。錯覚を使った面白い体験・写真などがたくさんありますが、錯覚は時には大きな交通事故を引き起こす原因にもなります。田舎に住んでいる人や、田園が広がる道路を運転することが多いドライバーはとくに起こりやすい現象なので、周囲の確認を怠らないことが大切です。