車の改造と聞いて思い浮かぶのは、車高を低くしたり、ホイールやマフラーを替えたりすることです。違反ギリギリのラインにある改造車はスポーティーでカッコよく感じてしまいます。しかし、気になるのは改造しても車検が通るかで、部品ごとの違反のラインは気になるところです。今回は、車検の基準について詳しく紹介しましたのでご覧ください。
車のサイズ変更

車のサイズを変更する改造といえば、車高を変えるローダウンかリフトアップですが、エアロパーツなどを取り付けて以下の範囲を超えると車検を通らないことがあります。
- 軽自動車、小型自動車 全長:±3cm、全幅:±2cm、全高:±4cm、車重:±50kg
- 普通自動車、大型特殊自動車 全長:±3cm、全幅:±2cm、全高:±4cm、車重:±100kg
車高を下げるローダウンは平成7年に規制緩和し、最低地上高9cm以上あれば違法ではなくなりました。ローダウンによってスポーティな外観になり、重心が下がるので安定性が向上しますが、エアーサスペンションを変えることで乗り心地が悪くなったり、段差に乗り上げて故障の原因になり兼ねないので注意しましょう。
エアロパーツについても上記のサイズ変更の範囲内であれば取り付け可能となります。市販品であれば問題はないでしょう。

改造しても良い部品

車の改造を行えば構造変更の申請をしなければなりません。しかし、指定された部品を保安基準の範囲内であれば構造変更申請なしに改造しても問題ありません。改造しても良い主要な指定部品は下記のとおりです。
- 車体回り:エアスポイラー、エアロパーツ、フェンダーカバーなど
- 走行装置:タイヤ、ホイールなど
- 操縦装置:パワーステアリング、変速レバー、シフトノブなど
- 緩衝装置:ショックアブソーバー、コイルスプリング、ストラットなど
- 車内:カーナビゲーション、オーディオ、空気清浄機など
- その他:ミラー、フォグランプ、身体障碍者用操作装置など
部品ごとの違反ライン

指定部品ごとの改造について注意事項を紹介します。
タイヤ・ホイール
タイヤサイズの変更には規制がありませんが、タイヤの内径をあげるインチアップが一般的な改造となり、それに伴いホイールサイズが変わります。また、2017年に保安基準の一部が改訂されて、フェンダーからタイヤをはみ出させる改造について10mm以内であれば認められるようになりました。その分、タイヤが何かにぶつかったり、飛び石によって他の車体や人を傷つけてしまうリスクが上がってしまいます。
ヘッドライト
ライトの改造については、保安基準のなかで非常に厳しく規定されています。ヘッドライトは平成18年以降に生産された車体のライトは白色と決まっています。それ以前の車体であれば黄色を使用することができます。色温度として3,500~6,000K(ケルビン)が目安になっているので、若干の青みがかかっている色はギリギリのラインです。フォグランプであれば黄色は問題ありません。
ガラスフィルム
紫外線からの影響や車内のプライベートを守るスモークフィルムですが、フロントガラスは可視光線透過率が70%以上でなければなりません。また、ステッカーを貼っている車をみかけますが、リアガラスと後方席のドアガラスのみ認められています。もちろん、フロントガラスに貼り付ける検査標章などは問題ありません。
運転技術と配慮に見合った改造を

保安基準の規定について紹介しましたが、規定の範囲内とはいえ改造すれば安全性能は低下してしまいます。運転操作だけの技能ではなく、他者に対する配慮ができる運転技術を身に付けて、自分のレベルに見合った範囲内の改造で運転を楽しみましょう。
