昔は、軽トラック(軽トラ)は、というよりトラックやタクシーなどもプロ用の車はみんなマニュアルでした。しかし最近はトラックやタクシーのほとんどはオートマになりました。でも、軽トラックだけは、未だなぜかマニュアルが多いです。なぜなのでしょうか。

パワーが足りない
軽自動車は、普通自動車に比べれば、明らかにエンジンパワーが少ないです。だから、荷物を乗せると、全然スピードが出ません。軽トラのオートマは、未だ旧式のトルコンが使われていることが多く、エンジンのパワーをマニュアルほど効率よくタイヤに伝えることができません。
そして、山道や畦道で使うことの多い軽トラは、パワーが低いと、全然坂道を登らない、なんてことにもなりかねません。
車両価格が高い
やはり、マニュアルよりオートマの方が、余計な機構がつく分、車両本体価格が高くなります。軽自動車を仕事で使う場合、なるくべ車にはお金をかけたくないことがほとんどなので、少しでも高いオートマ車を嫌う傾向にあります。
山道での運動性能
しかし、農作業は山道や畦道など、不整地での運転が多く、マニュアルの方がエンジンブレーキが効いて安全ということで、マニュアルが好まれる傾向があります。
山奥の畑など、舗装路では信じられないような勾配も多く、パワーが少ないと登れなかったり、フットブレーキだけでくだるのに不安を感じるという方も多いです。
オートマしか運転できない
意外と多いのが、マニュアルしか運転したことないので、オートマは怖いなどという偏見です。軽トラのユーザーは高齢者が多く、マニュアルが運転できないと自動車免許が取れない年代です。
そういった方は、今までマニュアルしか運転したことないという方も多く、何も考えずにマニュアルとか、オートマは高くてパワーがないから、という噂を信じてマニュアルしか乗らないというケースが多くなっています。
売れないから古いだから売れないの悪循環
軽自動車でも最近はCVTなどの、最新のオートマが多くなってきました。CVTは、車が好きな方にはあまり評判が良くありませんが、従来型のオートマであるトルコン式より効率が良く、また、無段階にギアを変えることができるので、エンジンのパワーをより効率よく使うことができます。
しかし、軽トラの場合、高額とかパワーが足りないとかの理由で売れないのでメーカーもそれほど力を入れておらず、売れないからCVTを導入することもありません。
だから、従来からのオートマに対する悪いイメージを覆すことができず売れない、という悪循環です。
高齢者の軽トラックは安全のためATにしよう

農業従事者の年齢はどんどん上がるばかりです。マニュアルの方が、高齢者による誤発進事故が少なくなると言われています。しかし、高年齢者は足腰の衰えとともにマニュアル車のクラッチ操作がきつくなり、普段の運転にも支障があるというのが本当のところでしょう。
マニュアルは事故が少ないという誤解
オートマ車よりマニュアルの方が誤発進などの事故が少ないと言われていますが、そもそもクラッチを切るほどの体力がなくなってきたら、マニュアル車を運転するどころの話ではありません。効率なよくなってきたオートマ車を選んで、高齢者でも簡単に運転できる方が安全運転です。
最近のオートマは優秀です
もともと軽トラのオートマはあまり販売数が多くないので、お金をかけて装備させても全然売れないという問題があるようです。しかしやっと最近、軽トラのオートマも4ATが多くなってきました。
ホンダはまだ3ATですが、近々アクティにフルモデルチェンジがあるようで、いよいよホンダの軽トラにも4ATが登場するかもしれません。
山道もオートマで安全
しかし、正直なところ、山道や畦道などの不正路では、慣れていないマニュアルの方が、よほど危険です。ギア操作に戸惑っている間は、ギアはニュートラルに入っているので、エンジンブレーキがない状態で空走しています。
回転数が大きい中、エンジンブレーキを得ようと無理にシフトダウンすると、急ブレーキがかかったような状態となり、タイヤがロックしてしまいます。泥道や雨道など滑りやすい路面でタイヤがロックすると、車がコントロールできなくなり大変危険です。
高齢になると、クラッチ操作がし辛くなるので、山道のマニュアル運転は大変危険です。ぜひ、高齢者は、たとえ軽トラであってもオートマに乗るようにしましょう。
オートマで安全運転する
軽トラでも安全に車に乗るために、運転を少しオートマ向きに変えてみましょう。重要なのは、オートマでも、シフトレバーを活用することです。下り坂などフットブレーキを使い続けると良くない状態の時は、シフトレバーを使って一段低いギアに下げてエンジンブレーキを活用するようにします。
オートマのエンジンブレーキの効きが悪いというのは、オートマを適切に使っていないというためです。オートマもシフトレバーを適切に使えば、必要なエンジンブレーキを得られます。
高齢者の軽トラはオートマで安全に

軽トラックでも、高齢者はオートマに買い換えると、体力の衰えをカバーでき、毎日の運転が楽になり、返って事故が減るはずです。
オートマに関する偏見をなくして、事故を未然に防ぎましょう。
