車が関係する事件や事故が全国で多発しています。都内においても例外ではなく重大な事故が発生しています。この記事では、渋谷区で1月に発生したタクシー暴走事故について取り上げ、その詳細と背景について紹介しています。
またその後の対策についても記載したので、都内在住者のみならず多くの方の参考になりますから、どうぞ最後までお目通し下さい。
警視庁について

まずは警視庁について見てみましょう。
■警視庁
役 職
警視総監:斉藤実
副総監:緒方禎己(警視監)
警務部長:下田隆文(警視監)
組 織
上部組織:東京都公安委員会
内部組織:総務部
:警務部
:生活安全部
:地域部
:刑事部
:組織犯罪対策部
:交通部
:警備部
:公安部
:警察学校
:犯罪抑止対策本部
:人身安全関連事案総合対策本部
:サイバーセキュリティ対策本部
:オリンピック・パラリンピック競技大会総合対策本部
:方面本部
警視庁(英: Metropolitan Police Department、略称: MPD)は、東京都を管轄する警察組織及び本部の名称です。東京都内を10に分けた方面本部と102の警察署を配置し、2018年4月1日現在の所属警察職員は46,581人と日本最大であり、世界有数の規模を誇る警察組織となっています。
渋谷区で1月に発生したタクシー暴走事故について
2021年1月4日の19時ころ、東京都渋谷区笹塚でタクシーが暴走し、横断歩道を歩行中の小学3年生の児童(9)と、20代から40代の男女5名を次々とはねました。
このうち49歳の女性1名が亡くなり、ほかの5名は重軽傷を負いました。タクシーを運転していた73歳の男性運転手も病院に搬送されました。警視庁は男性運転手が回復次第、自動車運転死傷処罰法違反の容疑で逮捕する方針です。
代々木署はタクシーは立体交差を降りた直後に、赤信号を無視して交差点内に進入し事故を起こしたものと見て捜査しています。タクシーには女性の乗客が1名乗車しており、その女性は「運転手は事故前に、加速と減速を繰り返していて、意識を失っているように見えた」と話しています。
その後、男性運転手はくも膜下出血を起こしていたことが、搬送先の病院で確認され治療を受けています。つまりこの事故は脳卒中が原因と見られるため、男性運転手は訴追されない可能性があります。
暴走事故の背景にあるドライバー事情
国土交通省の統計によるとトラックやバス、タクシーの運転手が、脳梗塞やくも膜下出血などの脳卒中が原因で、運転を中断したり事故を起こしたケースが、2012年から2018年までの間に212人にも上ることが明らかになっています。
背景にあるのはドライバーの高齢化です。トラックドライバーの平均年齢は47.3歳、バスのドライバーの平均年齢は51.2歳で、ほかの産業よりも平均年齢が高めですが、タクシードライバーはさらに平均年齢が高く59.9歳となっています。
少子高齢化に加え若年層の車離れが影響して平均年齢は上がる一方なのが現状です。
対策は取られているのか?

事態を重く見た国土交通省は2018年に運転手の脳卒中対策としてガイドラインを策定しました。その内容は事業者は高齢運転手に3年に1回は脳ドックを受けさせるというもの。
しかし現状では検査費用が数万円かかる上に、国からの補助も不十分で、しかも罰則規定がないため実施していない事業者が大半です。タクシーの場合は全国の303社のタクシー会社のうち、検査をしているのは9%にとどまっています。
補助を厚くして同時に罰則規定を盛り込まなければ絵に描いた餅になりかねません。早急に対処しなければ渋谷で起きた暴走事故が繰り返されることになります。それは運転手にとっても被害者にとっても悲劇にしかなりません。